「転換期迎える中国経済 第2回」中国人誘客で進む日本の国際化

150421_nikkanko日刊工業新聞の金融面で担当させていただいている「転換期迎える中国経済」(毎週火曜日、全5回)。先週が紙面の都合でお休みだったので、本日第2回目が掲載されています。

今回のテーマは「中国人観光客」。旧正月(春節)休みを迎えた2月、中国人観光客による「爆買い」が連日のようにニュースになっていましたね。そこで私は、彼らをもてなす側、つまりデパートや家電量販店、免税店が取り組んでいる戦略に注目してみました。それらを見ていくと、日本も大きく変わり始めていることがわかります。

外国語が苦手とされてきた日本社会ですが、もはやそんなこと言ってられない状況なのです。だって海の向こうから、大金を持った観光客が「日本商品を買いたい! 売ってほしい!」と言ってきているのですから。そこまで言ってくれている人たちに対して、「外国語が苦手なんでゴメンナサイ」とはいきませんよね。ただでさえ不景気なんだし。だから、発音も文法も下手でいいんです。外国語で対応する気概を見せることの方が大事。そうすれば、チャンスは大きく広がると実感しています。

下記は記事の中でも触れているセブンイレブンの車内広告。簡体字中国語と英語の他、韓国語、繁体字中国語の4ヶ国で「セブンイレブンのATMなら、すぐに日本円を入手できますよ!」と伝えています。これまでは日本語で日本人だけを相手にしてきた広告でしたが、ついに多言語で広告展開する日が来ちゃいました!!!
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第1回 企業規模より技術力に関心
第2回 中国人誘客で進む日本の国際化
第3回 新中間層に巨大な可能性
第4回 台頭する中国企業動向に商機
第5回 人治の国理解へ“感度”高めろ

本日より日刊工業新聞で「転換期迎える中国経済」の連載開始!!

150407_nikkanko日刊工業新聞で中国経済に関する連載を持たせていただくことになりました。一般の方には馴染みが薄い新聞かもしれませんが、今年で100年を迎える歴史のある新聞です。「モノづくり」に焦点を当てた記事が充実しており、流通・サービス・運輸・IT・金融・教育・農業・行政・政治と幅広い業種を取り上げています。中小企業やベンチャー企業のニュースが多いのも特徴です。

私が担当させていただくのは金融面にある「転換期迎える中国経済」。本日4月7日のものに第1回目が掲載。全5回で毎週火曜日の金融面に掲載されます。日本における中国のニュースはネガティブなものが多いのですが、実際に中国に住んだり、中国人と交流している人たちが発信している例は少ないと思います。

今回の記事で中国の別面を少しでもお伝えできれば幸いです。さまざまな考え方や生き方が議論され、多様性があった方が社会や人生は面白くなるのではないでしょうか。

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シャオミ、ただいま爆進中!!

Xiaomi_M1現在、中国で凄まじい勢いで伸びているスマホメーカーがあります。それがシャオミ(小米科技)です。日本での知名度はまだ低いですが、マンガのようなレベルで爆進中で、近いうちに世界を席巻するんじゃないでしょうかね~。

スマートフォンは中国語で「智能手机」(ジーノン・ショウチー)と呼びます。“多機能携帯電話”という意味です。2013年の中国スマートフォン出荷台数を見ると、第1位はサムスンでシェア19%。第2位は中国最大のPCメーカーであるレノボ(聯想集団)で11.8%。第3位はクールパッド(酷派)、第4位はファーウェイ・テクノロジー(華為技術)、第5位はZTE(中興通訊)。第6位にiPhoneのアップルが来ます。iPhone 5sの販売価格は5288元(約8万7000円)と中国ではかなり高価です。

そして第7位に位置するのがシャオミ(小米科技)です。この会社、創業したのが2010年ですよ! 創業3年で中国アップルに迫って、さらには抜こうとしているんですよ!!

なぜ、こんなに急成長しているかというと、スマホの価格がとにかく安いんです。最近699元(約1万1500円)のモデルを販売し、凄まじい勢いで売れています。なにせiPhoneの1/8の価格。店頭ではまず買えない状況になっており、予約も驚異的な数になっています。
今は技術革新が進み、ベンチャーでもスマホのような高性能製品を作ることができてしまう時代なんですよね。「高性能」が日本のお家芸であった時代が、過去のものになりつつあるのが実感できます。

xiaomi02加えてシャオミの強さを物語るのが、“劇場型”と言われるマーケティング戦略。写真左は創業者でCEOの雷軍。そして並んでいるのは香港スターのアンディ・ラウ(劉徳華)。こんなスターを呼んでファン感謝イベントを開催したり、微博などのSNSを使って情報を拡散したりとあらゆることを行っているのです。今やシャオミは「中国のApple」、雷軍は「中国のジョブズ」と呼ばれ、大きな注目を集めています。

実は多くの中国大手企業が日本に進出している

日本で流れる中国のニュースは、バッドなもの(尖閣問題、PM2.5、テロ、政府幹部の汚職など)がほとんどです。それ以外のニュースがほぼ皆無なので、一般の人はほとんど気付いていないと思いますが、実は多くの中国大手企業が日本に進出しています

パソコンメーカーのレノボ(聯想集団)、家電メーカーのハイアール(海爾集団)。スマホメーカーのファーウェイ(華為技術)、ZTE(中興通訊)。検索サイトの百度。システムインテグレータの方正。Ofiiceとの互換性で急伸しているキングソフト(金山軟件)。ちなみに、シャオミの雷軍CEOはキングソフトの出身です。

買収によって中国企業の傘下になった日本企業も増えてきました。代表的なのはラオックス、レナウン。台湾にまで範囲を広げれば、東京スター銀行もそうです。

日本に留学してきた中国人が起業して、一部上場にまで成長した企業まであります。ソフトブレーン、イーピーエスです。

ほとんどの日本人にとって「中国=粗悪品」というイメージでしょうが、このような側面も知っておいて損はないと思います

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中国新指導部の顔触れ

2012年11月15日、中国の最高指導部とされる中国共産党中央政治局常務委員の新しい顔ぶれが発表されました。以下が13億人の頂点に立つ新しい7人です。ほとんどが日本ではなじみのない人物なので、経歴をまとめてみました。
なお中国は共産党の一党独裁ですが、一応役職は「党」のものと「政府」のものと分けられています。今回の刷新人事は「中国共産党」の人事であり、「政府」の役職は現職のままです。(w・・・wikipedia)

氏名 プロフィール
 習 近平 →w
(しゅう・きんぺい)
Xí Jìnpíng
序列1位。党総書記、党中央軍事委員会主席、国家副主席
1953年生(59歳)/北京市出身/清華大学卒
高級幹部の子弟グループ「太子党」の代表格。父・習仲勲は国務院副総理を務めたほどの人物でしたが、文化大革命の権力闘争に敗れ、一家は陝西省の貧しい農村に下放されます。
これまではキャリアのほとんどが地方だったため目立ちませんでしたが、2007年に汚職事件で更迭された上海市トップの後任に抜擢されました。上海閥の江沢民・元国家主席につながる人脈を背景にしつつも、共青団派の胡錦濤氏との関係も良好と見られ、中立の政治的立場によって総書記に選ばれました。
 李 克強 →w
(り・こっきょう)
Lǐ Kèqíang
序列2位。国務院常務副総理
1955年生(57歳)/安徽省定遠県出身/北京大学卒
党の青年組織である共産主義青年団(共青団)に加わり、共青団のトップを務めていた胡錦濤氏のもとで働きます。そのため、胡錦濤氏の直系です。胡錦濤氏が団長を務めた青年代表団のナンバー2として日本を訪れたこともありました。
北京大学大学院で経済学博士を取得し、経済論文で受賞したこともある経済通。2013年3月に国務院総理に就任する見込みです。
 張 徳江 →w
(ちょう・とくこう)
Zhāng Déjiāng
序列3位。国務院副総理
1946年生まれ(66歳)/遼寧省台安県出身/北朝鮮のキム・イルソン総合大学卒
北朝鮮に近い吉林省の延辺大学朝鮮語学部で学んだ後、北朝鮮に留学。当然ながら北朝鮮のエキスパートです。2006年にキム・ジョンイル総書記が中国を訪れた際には案内役をつとめました。2012年3月より、一連の事件で解任された薄熙来の後任として、副総理の職務と兼任する形で重慶市市委書記も務めました。江沢民氏に近い立場とされています。
 兪 正声 →w
(ゆ・せいせい)
Yú Zhèngshēng
序列4位。
1945年生(67歳)/浙江省紹興県出身/ハルビン軍事工程学院卒
最高指導部では最年長。学生時代は弾道ミサイル技術を専門に学んだエンジニアです。2007年からは習近平氏の後任として上海市の書記を務めてきました。父親が共産党幹部だったため「太子党」のひとり。江沢民氏に近い立場とされています。
 劉 雲山 →w
(りゅう・うんざん)
Liú Yúnshān
序列5位。党中央書記処筆頭書記、党中央宣伝部長
1947年生(65歳)/山西省忻県出身/内モンゴル自治区集寧師範学校卒
新華社通信の記者も務めていたこともあり、その流れからか情報に関する職務に長く就いています。インターネット、言論や出版などを統制する中央宣伝部長も務め、「中国の情報統制」をまさに実施・担当している人物です。江沢民氏に近い立場とされています。
 王 岐山 →w
(おう・きざん)
Wáng Qíshān
序列6位。党中央規律検査委員会書記
1948年生(64歳)/山西省天镇出身/西北大学卒
もとは西北大学、中国社会科学院などで歴史研究をしていた学者です。70年代から経済・金融についても研究するようになり国務院農村政策に携わります。その後、中国農村信託公司総経理、中国人民銀行副総裁、中国建設銀行総裁など金融ポストを歴任し、2008年からは金融などを担当する副首相を務めています。
 張 高麗 →w
(ちょう・こうれい)
Zhāng Gāolì
序列7位。
1946年(66歳)/福建省晋江出身/アモイ大学卒
大学卒業後は国有の石油会社に就職していたこともあり、主に経済畑を歩んできました。また、深圳市書記、山東省委書記、山東省長、天津市書記など、地方の重職を歴任しました。江沢民氏に近い立場とされています。

 

“長老”たちの息のかかった人事

日本の民主党でさえあのトホホな分裂ぶりですから、党員8260万人を超える中国共産党が一枚岩なわけがありません。中では熾烈な派閥争いが繰り広げられており、中央政治局常務委員の人選によっては派閥の死活問題につながります。

多くのニュースが報道している通り、今回の人事には“長老”たちの意向が大きく反映されています。もっとも影響力を行使した“長老”が江沢民氏で、息のかかった人物はなんと4人。対して、胡錦濤系はわずかに1人でした。
10年に及ぶ胡錦濤政権において貧富の格差の拡大、官僚の汚職など、社会の矛盾はかえって激化しました。胡錦濤氏はこうした批判を受けて、人事をめぐる調整で不利になったと見られています。

ただ、胡錦濤氏も負けっぱなしというわけではなく、彼らの下に位置する「政治局委員」には胡錦濤系がしっかり入っています。しかも、若い。
中国共産党中央政治局では、定年を一応68歳に設けています。そうすると、上記の江沢民系のほとんどが、(おそらく守られないとは思うけど)1~2年後に引退しないといけません。そうなったときは胡錦濤系の天下です。「今回は江沢民氏を立てておくか」と考えたかどうかはわかりませんが、そんな感じもします。

習近平政権では対日政策はどうなる?

尖閣列島の問題で揺れている日中関係ですが、習近平政権で対日政策はどうなるのでしょうか?
識者たちは「あまり進展しないのではないか」と見ています。というのも、上記のメンバーを見ればわかりますが、江沢民派閥で固められていますよね。習近平氏が何かやろうとしても、身動きとれない状況です。
ただ、あえて好戦的な態度に出るということも考えにくいかもしれません。中国の民衆は今回の反日デモで大いに暴れまわりましたが、中国政府としてはあの矛先が「反政府」になることを何より恐れています。反日の結果がプラスよりマイナスをもたらすものだと分析したら、それ以上強硬には出てこないのではないでしょうか。
ただ、日本の衆院選挙でどの党が政権を取って、誰がリーダーになるかで、かなり状況が変わると思います。

中国最大のECサイト「淘宝网」(タオバオ)

中国最大のECモールとして有名なのが淘宝网(タオバオ)です。
運営しているのは、中国IT最大手の
アリババ・グループ(創業者でCEOはジャック・マー(馬雲))。写真右がジャック・マー氏で、左はソフトバンク社長の孫正義氏。

2003年からスタートした淘宝网は、2010年現在では総商品5億品目、1日あたり平均10億PV、取引高80億円、会員数1億7500万人を超える超巨大マーケットに成長しました。中国でのEC市場の取引総額は約80%のシェアを独占しています。

中国では、クレジットカードによる決済がまだ進んでいないため、オンラインショップは根付かないと言われてきました。しかし、アリババは支付宝(Alipay)という独自のオンライン支払いサービスをつくりあげ、これがうまく中国の社会・経済にマッチしたのです。そこからは破竹の快進撃になりました。

日本でもここ数年、注目が集まりました。なにせ中国進出には資金もかかるし、例のごとくリスクもあります。店舗を破壊されたら、たまったもんじゃありません。そこで、オンラインショップならば手軽に「中国進出」できるというわけです。

入門書でオススメなのはこちら。

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当然ながら問題もある

出店者が爆発的に増えた結果、勝ち組と負け組にハッキリわかれています。負け組は、ほとんど利益を得られずに手数料だけ払い続ける状態になってしまい、結局撤退するユーザーも急増しています。

また、ユーザー環境がコロコロ変わりすぎるのも大問題です。
その代表的なのが、「Yahoo!チャイナモール」と「淘日本(タオジャパン)」の打ち切りです

上の写真からもわかりますが、ジャック・マー氏は孫正義氏と交流があり、2005年に中国ヤフーを買収し、さらに2007年にはソフトバンクの取締役にも就任しています。この流れで2010年にはヤフージャパンとアリババグループが提携し、淘宝网(タオバオ)の商品を「Yahoo!ショッピング」から購入できる「Yahoo!チャイナモール」がオープン。
同様に、中国でも「淘日本(タオジャパン)」がオープン。ここでは日本の「Yahoo!ショッピング」に出品されている商品約1000万点を中国で購入できるようになりました。

ところが、なんとわずか1年後の2012年5月17日をもって、「Yahoo!チャイナモール」と「淘日本(タオジャパン)」は打ち切りになってしまったんです。
孫正義氏はビジネス界の風雲児としてスゴイところもありますが、こういうイッチョカミして飽きたら撤退というのも多すぎますね。ナスダック・ジャパンやメガソーラーもそうでした。振り回された出店者が不憫です。

以上のことから考えるに、淘宝网をやるときは最新の状況をチェックしながら、あまり過度な期待をしないで程程にやっていった方がうまくいくかもしれません。

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高松―上海間で春秋航空が就航

 
香川県といえば讃岐うどんですが、さらなる名物を作り出す動きが活発化し、ついに「さぬきうどんバーガー」なるものが爆誕しました!

さて、その香川県高松市と上海間で定期便が就航されることになりました。
航空会社は春秋航空。茨城空港から上海まで片道4000円という破格の料金を打ち出し、大きな話題になった格安航空会社(LCC)です。

就航日は3月27日で週4往復。茨城空港ではチャーター便でしたが、高松空港では春秋航空の念願が叶い定期便が就航されることになりました。

これまで香川県では中国人観光客誘致の動きは乏しく、当然中国語表記も町にはないし、中国語を話せる人材も少ないそうです。はじめはインフラ整備に時間がかかると思いますが、上海からの観光客が増えれば経済効果も期待できるはず。中国人にも讃岐うどんは人気のグルメとなるでしょうか。

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