『唐人街探偵-東京MISSION-』、中国映画では異例の日本全国シネマ展開!

『唐人街探偵-東京MISSION-』、中国映画では異例の日本全国シネマ展開! 
7月9日に公開された中国映画『唐人街探偵-東京MISSION-』を見てきました。とても面白かったです。チン・フォン(演:劉昊然)と叔父のタン・レン(演:王宝強)の凸凹探偵コンビが世界中の中華街で難事件を解決する人気シリーズの第3作目。
 
今回は舞台が東京。妻夫木聡や長澤まさみ、浅野忠信、染谷将太など日本のスター俳優に加え、『マッハ!!!!!!!!』でブレイクしたタイのトニー・ジャーまで出演。始めから終わりまではハイテンションなアクションとストーリーが続く、誰もが楽しめる娯楽作品です。

かつてアジア映画はとにかくマイナーだった

それにしても香港映画ではなく、中国本土の映画が日本全国規模のスクリーン展開とはね。いやあ、信じられませんよ。ずいぶん時代も変わりましたね。
 
私が学生時代の頃はアジア関連の情報がほぼ皆無でした。「韓流」というジャンルはまだ存在しておらず、せいぜいジャッキー・チェンのカンフー映画ぐらい。そんな時代に公開されていた中国映画といえば、『さらば、わが愛/覇王別姫』(1993年)や『哀戀花火』(1994年)などのように文学的な要素が強いものがほとんどで、岩波ホールや日比谷シャンテなどの単館ミニシアターがお決まりでした。
 
中華スターが集合して日本を舞台にした映画といえば、『東京攻略』(2000年)があります。仲村トオルや阿部寛など日本のスター俳優も多数出演していましたが、日本では全く話題になりませんでした。
 
そういう時代を知っていますからね。中国映画が全国公開されていたり、妻夫木聡や長澤まさみといったスター俳優が出演していたりする状況は信じられないわけです。同時にとても嬉しく思います。

中国語学習者は字幕版がオススメ

ちなみに全国展開の本作ですが、ほとんどが吹替版で上映されています。中国語版(日本語字幕)は劇場がかなり限られており、都内でもTOHOシネマの新宿、池袋、六本木の3館のみです。でも、せっかく妻夫木聡ほか日本人キャストが中国語で熱演しているのですから、多くの人に中国語版(日本語字幕)も見てほしいです。とくに中国語学習者は必見です!!

加えて、アフターコロナにおいて『唐人街探偵 東京MISSION』のロケ地を巡りたいと考えている中国の映画ファンは多いと思います。何年経っても「SLAM DUNKの踏切」を見ようと鎌倉まで行く人も多いぐらいなので、必ずやって来るでしょう。
 
そして日本政府(内閣府、観光庁など)も中国ファンの訪日による経済効果を期待しており、すでにロケ地マップ(日中英3か国語)を制作しています。ジャパン・フィルムコミッションのサイトにPDFが公開されているので、ダウンロードしておきましょう。私たち中国語通訳ガイドや、インバウンド関係者には強力なツールになります。

最後にトリビア

本作に出演している劉昊然と染谷将太は、他にも同じ映画に出ていたことがあります。それが『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(2018年)。二人が一緒に登場するシーンはありませんが、どちらも重要な役どころ。染谷将太は主役の空海を演じ、ほぼ全部が中国語のセリフという大役を務めました。

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