今回のイベントを通して、茨城県日立市はもとより、大げさに言えば「これからの日本の国際化」というものを考えてみたいと思います。
地方都市でもこれだけの外国人がいる
和室では茶道を紹介。日本人のお子さんから、アジア系、欧米系の外国人までいろんな国の方が体験していました。
「国際屋台村」では、外国の料理を味わうことができました。これはミャンマーの鶏じゃがカレー「ジャッタースィーヴャン」。ミャンマーの留学生によると、普通に家庭で食べている料理だそうです。
アメリカから来たメリッサさんが、私たちのブースに遊びに来てくれました。中国の組みひもを体験中です。メリッサさんは流暢な日本語で、「宮崎馳監督の『千と千尋の神隠し』を見て、日本に興味を持ちました。あとPUFFYにめちゃくちゃハマりました」と話していました。市内の中学校で英語教師として働いています。
普段の生活では感じにくいのですが、このように一堂に会すると茨城県日立市のような地方都市ですらかなりの外国人が住んだり、留学に来ていたり、働いていることがわかります。ですから、大都市における外国人の数は相当なものだと想像できます。
下手でもいいから外国語を話す習慣が根付いてほしい!!
彼らはさまざまな理由で日本に来ているわけですが、基本は日本に興味があるから来ています。でも、まだまだ日本には彼らを「おもてなしする環境」が整っていません。「おもてなしする環境」というのは、何も豪華なハコモノであったり、整備されたWi-Fi網というわけではありません。むしろ、私たち日本人一人ひとりの心のありようを言っています。
日本人は総じて勤勉です。電車に乗っていると、多くの人が何かしらの参考書・問題集を見て勉強しています。その中には英語の勉強している人もいるわけです。TOEICの点数を上げようとがんばっている人も多いでしょう。これ自体はとってもいいことです。
しかし仮に、道がわからずに困っている外国人が隣にいたらどうでしょう? おそらく、積極的に声をかける人はかなり少ないと思われます。どうしても日本人の根底には「私、そんなに英語が上手く話せないから・・・」という気持ちがあるんですね。日本人が勤勉なのは素晴らしいことですが、その勤勉すぎる性格が災いして、外国人から見れば冷淡に映り、さらには外国語の上達を妨げてしまっているんです。
私は学生時代、他人の目線は無視して、中国語を口に出して発音して覚えていきました。周囲からはバカだと思われていましたし、「恥ずかしいから、辞めた方がいいよ!」とアドバイスしてくれる人もいました。しかし、外国語を口から発音せずに上達できるわけがありません。たとえTOEICで900点以上をマークしても、コミュニケーションできなければあまり意味がないのです。
「恥ずかしいから、辞めた方がいいよ!」という感覚が多数を占めている間は、日本の国際化は空虚なままです。そもそも、下手な外国語を話すことは決して恥ずかしいことではないのです。前述のメリッサさんのように、好きで好きでたまらなくて日本に来る人もいます。きっと彼女のような人が欲しているのは、上手に英語を話せる日本人よりも「宮崎アニメや、J-POPを語り合える友達」なんじゃないでしょうか。
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