中国新指導部の顔触れ

中国新指導部の顔触れ2012年11月15日、中国の最高指導部とされる中国共産党中央政治局常務委員の新しい顔ぶれが発表されました。以下が13億人の頂点に立つ新しい7人です。ほとんどが日本ではなじみのない人物なので、経歴をまとめてみました。
なお中国は共産党の一党独裁ですが、一応役職は「党」のものと「政府」のものと分けられています。今回の刷新人事は「中国共産党」の人事であり、「政府」の役職は現職のままです。(w・・・wikipedia)

氏名 プロフィール
 習 近平 →w
(しゅう・きんぺい)
Xí Jìnpíng
序列1位。党総書記、党中央軍事委員会主席、国家副主席
1953年生(59歳)/北京市出身/清華大学卒
高級幹部の子弟グループ「太子党」の代表格。父・習仲勲は国務院副総理を務めたほどの人物でしたが、文化大革命の権力闘争に敗れ、一家は陝西省の貧しい農村に下放されます。
これまではキャリアのほとんどが地方だったため目立ちませんでしたが、2007年に汚職事件で更迭された上海市トップの後任に抜擢されました。上海閥の江沢民・元国家主席につながる人脈を背景にしつつも、共青団派の胡錦濤氏との関係も良好と見られ、中立の政治的立場によって総書記に選ばれました。
 李 克強 →w
(り・こっきょう)
Lǐ Kèqíang
序列2位。国務院常務副総理
1955年生(57歳)/安徽省定遠県出身/北京大学卒
党の青年組織である共産主義青年団(共青団)に加わり、共青団のトップを務めていた胡錦濤氏のもとで働きます。そのため、胡錦濤氏の直系です。胡錦濤氏が団長を務めた青年代表団のナンバー2として日本を訪れたこともありました。
北京大学大学院で経済学博士を取得し、経済論文で受賞したこともある経済通。2013年3月に国務院総理に就任する見込みです。
 張 徳江 →w
(ちょう・とくこう)
Zhāng Déjiāng
序列3位。国務院副総理
1946年生まれ(66歳)/遼寧省台安県出身/北朝鮮のキム・イルソン総合大学卒
北朝鮮に近い吉林省の延辺大学朝鮮語学部で学んだ後、北朝鮮に留学。当然ながら北朝鮮のエキスパートです。2006年にキム・ジョンイル総書記が中国を訪れた際には案内役をつとめました。2012年3月より、一連の事件で解任された薄熙来の後任として、副総理の職務と兼任する形で重慶市市委書記も務めました。江沢民氏に近い立場とされています。
 兪 正声 →w
(ゆ・せいせい)
Yú Zhèngshēng
序列4位。
1945年生(67歳)/浙江省紹興県出身/ハルビン軍事工程学院卒
最高指導部では最年長。学生時代は弾道ミサイル技術を専門に学んだエンジニアです。2007年からは習近平氏の後任として上海市の書記を務めてきました。父親が共産党幹部だったため「太子党」のひとり。江沢民氏に近い立場とされています。
 劉 雲山 →w
(りゅう・うんざん)
Liú Yúnshān
序列5位。党中央書記処筆頭書記、党中央宣伝部長
1947年生(65歳)/山西省忻県出身/内モンゴル自治区集寧師範学校卒
新華社通信の記者も務めていたこともあり、その流れからか情報に関する職務に長く就いています。インターネット、言論や出版などを統制する中央宣伝部長も務め、「中国の情報統制」をまさに実施・担当している人物です。江沢民氏に近い立場とされています。
 王 岐山 →w
(おう・きざん)
Wáng Qíshān
序列6位。党中央規律検査委員会書記
1948年生(64歳)/山西省天镇出身/西北大学卒
もとは西北大学、中国社会科学院などで歴史研究をしていた学者です。70年代から経済・金融についても研究するようになり国務院農村政策に携わります。その後、中国農村信託公司総経理、中国人民銀行副総裁、中国建設銀行総裁など金融ポストを歴任し、2008年からは金融などを担当する副首相を務めています。
 張 高麗 →w
(ちょう・こうれい)
Zhāng Gāolì
序列7位。
1946年(66歳)/福建省晋江出身/アモイ大学卒
大学卒業後は国有の石油会社に就職していたこともあり、主に経済畑を歩んできました。また、深圳市書記、山東省委書記、山東省長、天津市書記など、地方の重職を歴任しました。江沢民氏に近い立場とされています。

 

“長老”たちの息のかかった人事

日本の民主党でさえあのトホホな分裂ぶりですから、党員8260万人を超える中国共産党が一枚岩なわけがありません。中では熾烈な派閥争いが繰り広げられており、中央政治局常務委員の人選によっては派閥の死活問題につながります。

多くのニュースが報道している通り、今回の人事には“長老”たちの意向が大きく反映されています。もっとも影響力を行使した“長老”が江沢民氏で、息のかかった人物はなんと4人。対して、胡錦濤系はわずかに1人でした。
10年に及ぶ胡錦濤政権において貧富の格差の拡大、官僚の汚職など、社会の矛盾はかえって激化しました。胡錦濤氏はこうした批判を受けて、人事をめぐる調整で不利になったと見られています。

ただ、胡錦濤氏も負けっぱなしというわけではなく、彼らの下に位置する「政治局委員」には胡錦濤系がしっかり入っています。しかも、若い。
中国共産党中央政治局では、定年を一応68歳に設けています。そうすると、上記の江沢民系のほとんどが、(おそらく守られないとは思うけど)1~2年後に引退しないといけません。そうなったときは胡錦濤系の天下です。「今回は江沢民氏を立てておくか」と考えたかどうかはわかりませんが、そんな感じもします。

習近平政権では対日政策はどうなる?

尖閣列島の問題で揺れている日中関係ですが、習近平政権で対日政策はどうなるのでしょうか?
識者たちは「あまり進展しないのではないか」と見ています。というのも、上記のメンバーを見ればわかりますが、江沢民派閥で固められていますよね。習近平氏が何かやろうとしても、身動きとれない状況です。
ただ、あえて好戦的な態度に出るということも考えにくいかもしれません。中国の民衆は今回の反日デモで大いに暴れまわりましたが、中国政府としてはあの矛先が「反政府」になることを何より恐れています。反日の結果がプラスよりマイナスをもたらすものだと分析したら、それ以上強硬には出てこないのではないでしょうか。
ただ、日本の衆院選挙でどの党が政権を取って、誰がリーダーになるかで、かなり状況が変わると思います。

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