昨日(2011年5月15日)、上海で開催された陸上競技大会で110mハードルの劉翔(リウ・シャン)が今期最高の13秒7で優勝しました。
トラック競技のなかでも短距離は、黄色人種にとってあまりに不利な種目です。日本人では末續慎吾選手(2008北京オリンピック・4×100mリレーで銅、2003パリ世界陸上・200mで銅)や為末大選手(2001エドモントン世界陸上・400mハードルで銅、2005ヘルシンキ世界陸上・同種目で銅)の存在感がありますが、アジア人で金メダル(2004アテネオリンピック、2007大阪世界陸上)を獲得できたのはこの劉翔だけです。それだけに中国人たちは彼を熱烈に英雄視してきました。
ところが、2008年北京オリンピックでまさかの棄権です。中国人民による賞賛は一転して怒号に変わってしまいました。当時、現地で取材していた元産経新聞中国総局特派員の福島香織氏(現在はフリージャーナリスト)は、ブログ「北京東京趣聞博客」で中国人ネットユーザーの劉翔への怒りを紹介しています。
・金儲けばっかりして練習をぜんぜんしていないから、勝つ自信がなかったのよ。
・メダルがとれないと格好がつかないから、戦う前に逃げたんだ!
・観衆にむかってあやまることもせずに、退場するなんて!
・広告のオファーに対しても、ケガを理由に断るべきだった
北京オリンピックといえば、日本でもメダルを獲得できなかった野球の星野仙一監督に対して、日本中から大バッシングがありました。
中国人の気質からいって、あの10倍ぐらいの怒号と考えてよいでしょう。しかも13億人いるわけですから、きっと劉翔は身の危険も感じたはずです。
あの騒動以降はパッとした情報もなく、完全に“過去の人”になったのかなと思ったら、昨日のニュースですよ。私もレースの様子をネットニュースで見ましたが、スタート前の劉翔のリラックスぶりがスゴイですよ。ニコニコと笑顔を絶やさず、カメラに向かっておどけた表情まで見せていました。「今から散歩に行ってくるよ」という感じのリラックスぶり。
そして、あの結果。まさに復活Vでした。8月の韓国大邱世界陸上も楽しみですね。
劉翔が復活ですか!良かったです。 いっとき凄かったですよね。中国でTシャツも売ってる位凄かったですよね。
>>shimizut73さん いつもありがとうございます。 瞬発力がハンパじゃない黒人の選手を抑えて優勝するのは、ちょっと信じがたい力です。 今後も続いて活躍するといいですね。
中国の人のほとんどは怒っていたのではなく、ガッカリしていただけです。
怒っていたのはほんの一部の人で、観戦はせずチケットをプレミアで売ろうとしていた人たちなどです。
>>ハードラー雷電さん
これは失礼しました。現地にいらした方の情報はより正確ですね。中国人みんなが劉翔の活躍を期待していただけに、相当ショックだったでしょうね。