中国信託商業銀行(台北市)が第二地方銀行の東京スター銀行を買収する方向で交渉しているそうです。時事通信ほか、各社が報じています。
年の瀬に凄いニュースが来ました。台湾大手の東京スター銀行というのは、1999年に経営破たんした東京相和銀行の営業を譲り受けてスタートした銀行です。首都圏を中心に大阪や名古屋、福岡など国内で31店舗を展開しており、都内ではオレンジ色の目立つ店舗を割と目にします。ここもリーマン・ショックの影響を受けて、業績が低迷していたようです。
対して、中国信託商業銀行は1966年に設立。台湾や日本、北米、アジア各地に拠点を擁し、2011年末の総資産は1兆8900億台湾ドル(約5兆6000億円)で、台湾の民間銀行では最大規模です。
中国信託は、米投資ファンドのローンスターなどが保有する普通株式を500億円前後でほぼ全て買い取る計画。もしこの交渉が成功すれば、外国銀行による邦銀買収の初のケースになります。
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープの筆頭株主に名乗りを上げたときも驚きましたが、このニュースもかなりビックリです。時代の急激な変化を感じさせるニュースです。
実は2013年は、金融界では大きな節目になる可能性があります。というのは、3月に中小企業金融円滑化法の期限が来るからです。この法律は中小企業への融資を活発化させるためのものですが、期限が来て融資がストップすれば経営が行き詰る企業も少なからず出てきます。また、融資先が倒産してしまうと不良債権が膨らむので、これらが原因で邦銀の再編が進むのではないかという声もあります。
映画『ハゲタカ』を彷彿とさせる事態です。
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