中谷彰宏 『入社3年目までに勝負がつく77の法則』

中谷彰宏 『入社3年目までに勝負がつく77の法則』新社会人は絶対に読んでおいた方がいいですし、新人を部下に持つ上司の方にもオススメの本。著者の中谷彰宏氏はバブルの寵児っぽいですし、「俺って頭いいだろ、モテるだろ」アピールが強すぎるのであまり好きではありません。にも関わらずこの本と出会い、かつ共感したのですから、本との縁は不思議なものです。

本書と出会ったのは、就職が決まって迎えた最後の春休みでした。そのときはもう社会に出るということが嫌で嫌でしょうがありませんでした。「あぁ~仕事なんで嫌だな」と思って書店をぶらついていたときに本書に出会ったのです。

「なんかノウハウ本っぽいけど、今の自分には役立つかも」と思って買いました。結果的に、これは当たりでした。
これは彼が博報堂時代に身に付けた経験で書かれており、非常に充実した内容でした。
よく「3年はガマンして働け」といいいますが、そのとこを実体験から説いています。

入社してからの3年間で、君のすべてが決まる。この3年間は、決して、準備期間ではない。この3年間に頑張った人は、好きな仕事ができるようになる。この3年間に苦労をたくさんした人は、仕事のプロになる。
この3年間に油断した人は、一生逆転できなくなる。この3年間にこの本に出会った人は、運を切り開く。この3年間は人生の黄金の3年間である。これは、僕の黄金の3年間の実体験だ。

私もこの教えを大事にし、中国留学を実行する前に、まずサラリーマン生活を3年間経験しました。将来、独立や寿退社を考えている人でも、とりあえず3年はサラリーマン(勤め人)というものを真剣にやった方がいいです。なぜなら、サラリーマン文化こそ、日本社会を形成している「宗教のようなもの」だからです。

よく海外の人から質問されます。「なぜ日本人は長時間労働をするのか? なぜ意思決定するまでに多数の上司の確認が必要なのか? なぜマイホーム買ったとたんに遠隔地に転勤になるのか? なぜ過労死という現象が発生するのか?」と。

明らかにおかしいことなのに、それが継続している理由はなぜ? でも、これに明確な答えを見つけ出せそうにないので、「宗教のようなものだから」と言うしかないのです

私たちの国は、国土が狭く天然資源が乏しく、戦後は貧困のドン底にありました。それでもなんとか国力を上げようとして、たどり着いた方法がサラリーマン文化なんじゃないかと思います。
そして、日本人の勤勉性、集団プレーが奏功し、高度経済成長、ジャパンアズナンバーワンを達成。でも、あまりにも上手く行き過ぎちゃったので、この時にできた制度が、今も捨てられずにいるのでしょう。
時代がどんどん変化しているのに、旧態依然なのはこうしたことが理由じゃないかと。

そんなこともね、勤めて見ないとわからないから。

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