『万引き老人~「貧困」と「孤独」が支配する絶望老後』(伊東ゆう)

『万引き老人~「貧困」と「孤独」が支配する絶望老後』(伊東ゆう)昨日、『グォさんの仮装大賞』という高齢化社会をポジティブに生きる映画について書きました。そこで「高齢化社会もガッツで乗り切ろうぜ!」みたいなことを書いておきながら、今日は絶望のドン底に叩き落すようで誠に恐縮です。別の仕事で必要だったので本書を読みました。こいつぁ、やべぇ本でした。読んでいて鬱になること必至でございます

著者の仕事は「万引きGメン(保安員)」。かつては不良少年によるものが主だった万引きは、今では様変わりし、老人たちの犯行が激増の一途だそうです

「もう、二日も食べてないんだ。悪いけど、これ、食ってもいいか?」(69歳男・元上場会社部長)

かつては普通に勤め、普通に生活していた人ですら、勤め先の倒産、リストラ、離婚、病気など、ふとしたキッカケで誰もが「下流」に陥る可能性がある、そんな時代なのです。自分の親がそうなるかもしれない。自分自身がそうなるかもしれない。では、そうならないようにするためには、どうすればいいのか。そんなことを考えながら読みました。オススメしづらいですが、超高齢社会の現代日本を知るうえでは最適です。

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万引き老人

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