ディズニーアカデミーに行ってきました

ディズニーアカデミーに行ってきました
管理職や経営者を対象に、東京ディズニーリゾートが展開しているディズニーアカデミーに行ってきました。ここではディズニー流のおもてなし、仕事のやり方である「ディズニーウェイ」を学ぶことができます。

研修場所は東京ディズニーシーの敷地内にあるホテルミラコスタ。研修時間はなんと4時間。ホテルや観光業の社員なら受講する機会もあるでしょうが、普通はそんな機会もないですから、今回は大変貴重な経験ができました。

さて、東京ディズニーリゾートがスゴい存在であることは、もはや言うまでもありません。2万人以上いるキャスト(ディズニーで働く従業員のこと)の9割がバイトにも関わらず、しっかり運営できてしまう・・・。いかに「ディズニーウェイ」が驚異的かがわかります。

ただ、そんなスゴい「ディズニーウェイ」をマネすれば、自分もディズニーになれるかというと決してそんなことはありません。
事実、日本のテーマパークのほとんどは閉園しています。きっと彼らの従業員や幹部たちも、ディズニーアカデミーを受講してきたでしょう。しかし、その活動も空しく散っているというのが現実です。

「ディズニーのマネはできない」と割り切る

宿泊料金が安いビジネスホテルや旅館に行けばよく目にする光景ですが、ロッカーや機材が壊れているのに、直す様子がないまま放置されていることがあります。

「お客様に喜んでもらう」というディズニーウェイから言えば、これはあり得ません。すぐに直すべきでしょう。しかし、それでも直さずに放置しているのは、「直すお金がない」というのが現実だからです。直す経費も捻出できないほど宿泊客が少ないのです。

さて、ディズニーにある膨大なアトラクションやイベント、それを継続するためには莫大なコストがかかります。それを維持できているのは、やはり膨大なリピーターがいるからです。
そんなことができているのは、この世でディズニーただひとつだけでしょう。

世の中には、ディズニーウェイを礼賛する本が溢れています。きっと、そこに書かれている内容は正しいでしょう。ただ、始めから「ディズニーのマネはできない」と割り切って読んだ方がいいと思います。

ではディズニーウェイは応用できないのか?

すべてマネはできないけれども、意外に応用できることが多いことが、今回のディズニーアカデミーに参加して思ったことです。

表面的なイメージでは「ディズニーは汲めども尽きない膨大な資金を投じてアトラクションを運営している」ように思えますが、そういう一面だけではないんですね。

例えば、キャストたちは模造紙に改善のアイデアを書いてカベに貼ったりと、意外にアナログなことをやっています。しかも、シッカリ効果が出ているとのこと。
これならコストもかかりませんので、どの企業でもマネできます。

ここ数年、よく「サスティナビリティ」という言葉を聞きます。「持続可能な」という意味の言葉です。でもこの世では、サスティナビリティすることはとても難しいのです。とにかくコストがかかるからです。
個人で考えれば、生きているだけでもお腹が空くので食費がかかります。
企業であれば、仕事がなくても従業員に給料を出さないわけにはいきませんし、機器の維持費もかかります。

しかし、コストをケチっていたら発展はしません。東京ディズニーランドは今年で30周年ですが、彼らはこの30年間に様々な新しいイベントを仕掛けてきました。彼らはコストカットばかりしているわけではなく、挑戦し発展し続けているのです。

つまり、ディズニーウェイによるサスティナビリティとは
・コストをなるべくおさえる
・それでいて改善する点は改善し、新しい挑戦をしていく

ということになります。

ウォルト・ディズニーは「ディズニーランドに完成はない。人の夢が存在し続ける限り、常に成長していくからだ」と語ったといいます。そして、ディズニーのキャストたちは、それを常に念頭において仕事をしているそうです。

うん、スゴイ。スゴすぎる。
これには異論の余地はありません。

とはいえ簡単にディズニーのマネができない理由は?

それは、コストカットは「守り」であるのに対し、
挑戦は「攻め」であり、ふたつは正反対の行為だからでしょう

現在の日本企業のほとんどがコストカットに血道をあげており、
挑戦ができなくなっています。

しかし、「守り」ながら「攻める」
そんなことできる人はいません。
ウォルト・ディズニーが天才だったことは間違いありませんが、
「守り」ながら「攻める」ことができたとは思えません。

ウォルト・ディズニーは「攻め」の人物です。
ですから、彼を支えていた「守り」の人物たちがいて、ディズニーが輝いたと考えるのが自然でしょう。

他の企業も、「守り」が強い場合は「攻め」を見直したりして、
攻守のバランスを取れば、前進できるかもしれません。

「それができないから苦しんでいるんだ!!」というのが現実だとは思いますが、
一つのヒントにはなると思います。

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