『振り込め犯罪結社』(鈴木大介)

『振り込め犯罪結社』(鈴木大介)「振り込め詐欺」というと、チンピラっぽい少年たちによる犯罪と思いがちですが、本書を読むと、凄まじく統制が取れた組織的な犯罪であることがわかります。

「母さん、俺だよ俺っ!」と電話をする人は、1ヶ月ぐらいの演技研修をするそうな。研修が終わる頃には、自分でも息子になったかのような感覚になり、騙す成功率は飛躍的に向上するそうです。

騙す電話をする人、銀行口座からお金をおろす人は、末端の末端の末端に過ぎず、彼らですら、命令を下している存在はわかっていないとのこと。詐欺事件がなくならないのも納得です。

詐欺のプランニングをしている連中は、経済新聞、警視庁のメルマガ、雑誌などあらゆる情報に目を通しており、皮肉にも普通の人よりも何倍も「勉強」しています。

「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」という諺がありますが、私たちは敵のレベルの高さも知らないし、己のレベルの低さも知らずに生きています。戦いに負ける(詐欺に遭う)のは必至なんですね

警視庁などはこういった本の紹介などもしたら、防止効果テキメンなんでしょうが、警察の落ち度なども書かれているので、紹介しづらいんでしょう。あらためて、自分の身を守るのは自分でしかないと感じました。

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振り込め犯罪結社 200億円詐欺市場に生きる人々

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